19歳の若い女性のペンから誕生した
フランケンシュタイン ![]() |
死体の各器官を寄せ集め、つぎはぎして生命は誕生した。映画が劇画で見るようにその生き物はグロテスクではなかった。 「私(フランケンシュタイン)の労苦が完成を見たのは11月のとあるわびしい夜のことでした。 雨がパラパラと陰気に窓をうち、ろうそくは今にも燃え尽きようとするとき、 なかば消えかけたかすかな光に、私は生き物のどんより黄色目が開くのを見たのです。 それは重く息をつき、痙攣が手足を走った。 どう描いたらいいのだろうか?このあさましい生き物を・・・。四肢は均整が取れ、容貌も美しく選んであった。美しく!−−−これが美しいと!黄色い皮膚は下 の筋肉や動脈の作用をほとんど隠さず、髪は黒くつややかにすらりと伸び、歯の白さは真珠のよう。 だが、そんな贅沢は、いっそうおぞましさをきわださせるばかりだった。」(森下弓子 訳を参照= 創元推理文庫) It was on a dreary night of November that I beheld the accomplishment of my toils. With an anxiety that almost amounted to agony, I collected the instruments of life around me, that I might infuse a spark of being into the lifeless thing that lay at my feet. It was already one in the morning; the rain pattered dismally against the panes, and my candle was nearly burnt out, when, by the glimmer of the half-extinguished light, I saw the dull yellow eye of the creature open; it breathed hard, and a convulsive motion agitated its limbs. How can I describe my emotions at this catastrophe, or how delineate the wretch whom with such infinite pains and care I had endeavoured to form? His limbs were in proportion, and I had selected his features as beautiful. Beautiful! Great God! His yellow skin scarcely covered the work of muscles and arteries beneath; his hair was of a lustrous black, and flowing; his teeth of a pearly whiteness; but these luxuriances only formed a more horrid contrast with his watery eyes, that seemed almost of the same colour as the dun-white sockets in which they were set, his shrivelled complexion and straight black lips. (Mary Shelley's Frankenstein Chapter 5)
SF小説の原典とも言うべきこの『フランケンシュタイン』
は女流作家メアリー・シェリーによって書かれた。面白い誕生秘話を紹介すると・・・・。 1816年夏、スイスのジュネーヴ湖畔のあの 有名詩人バイロンの別荘にメアリー・シェリーは夫の詩人 シェリーと避暑のため滞在していた。夜毎、バイロンの仲間の医者のポリドリも加わり 激しい文学談義に花を咲かせた。その中でみんなが、怪奇小説を書いてみようということになった。 詩人組のシェリーもバイロンも何も書けなかった。ポリドリは「ヴァンパイア(Vampyre)」 を書き上げた。シェリー夫人が書き上げたのがこの「フランケンシュタイン」。 彼女、芳紀19歳であった。 副題は「現代のプロメテウス」Frankenstein: The Modern Prometheusとなっている。 ギリシア神話に登場するプロメテウスは最初の人間を作り出し、人間に知恵を与えたことで知られる。 19歳の女性作家といえば、第130回芥川賞(2004年1月発表)を「蹴りたい背中」 で受賞した綿矢(わたや)りさ嬢と一緒だ。
誰が選んだかは知りませんが、 世界三大怪物はこの「フランケンシュタイン」それに「吸血鬼」「オオカミ男」という。
映像で「フランケンシュタイン」
を定着させたのは
ハリウッドのボリス・カーロフBoris Karloffである。ユニバーサル映画が映画化するときに主役には 『魔人ドラキュラ』でメガヒットを飛ばしたたベラ・ルゴシを起用するつもりだったが ベラ・ルゴシが拒否。その後釜に起用されたのが無名のボリス・カーロフBoris Karloffだった。 不気味ななかにも悲しみを漂わすボリス・カーロフの「フランケンシュタイン」は ベラ・ルゴシのドラキュラをしのぐヒットとなった。 その後、ボリス・カーロフはホラー映画の巨匠として名前を残すこととなる。 ***写真にマウスを乗せると写真説明が現れます。 ![]() |