☆真珠の耳飾りは知っていた☆
「口はあけたままにして」
お言葉に不意をつかれた。まばたきをして涙を抑える。貞淑な女は絵の中で口をあけたりしない。
彼女は言われるままにポーズをとった。
タイトルになっている真珠の首飾りはフェルメールの奥方・カタリーヌの持ち物だった。
こっそりと宝石箱から出し入れし密室のアトリエで画家とモデルは愛を慈しむように
名画に描き残していた。
フェルメールの死後、遺産分けの時に奥方はフリーク(このとき彼女は結婚していた)を招き
「主人がお前にこれを受け取ってほしいって」と差し出した。
「あれから着けてないの。その気になれなくて・・・」奥方カタリーナはすべて知っていたのだ。
夫フェルメールとメイド・フリークの関係を・・・・。
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