興味深い<禹、洪水を治める>の章。<大禹謨>とは?


北原峰樹教諭の翻訳した「物語でつづる中国古代神話」 で圧巻は<禹(う)>の治水事業への献身的な活躍を いきいきと描く<禹、洪水を治める>の章だ。

山荘ホテル・花樹海が扱う純米大吟醸<大禹謨>のラベル 禹(う)は古代中国の夏王朝の最初の王として知られる。 若いころ天帝に頼らず、人々と協力して洪水を起こす怪物を退治し 、いろんな神様の力を借りてとてつもない洪水を治めた。
新婚当時、4日ほど家にいただけで治水に東奔西走した。 「治水が収まらない限りは家に帰れない・・・」 と一度も家の近くに来ても立ち寄ることはなかった。
禹の活躍でさしもの大洪水も治まり、禹はついに王の位を譲り受けた。人々からは偉大な禹王「大禹」 とか大聖禹王と呼ばれ親しまれた。

時は流れて寛永時代、舞台は四国讃岐藩(今の香川県)の西嶋八兵衛は河川改修 や開拓、治水に大きな功績を残す。なかでも高松城下を挟むように二股になって流れていた ”暴れ川”香東川を 現在のように高松城下の西側に一本化して水害から城下町を守った。
八兵衛はこの偉業を後世に永く残そうと前述の偉大な禹王「大禹」の謨(はかりごと)にあやかり <大禹謨>と石に刻み香東川の堤防に建立した。
この石碑が大正元年の豪雨で河川敷から見つかった。 専門家の八兵衛の真筆による石碑と確認されて、 この石碑は現在天下の名勝・栗林公園に保存されている。

<大禹謨>(だいうぼ)とは偉大な禹王の謨(はかりごと) 即ち<偉大な禹王の治水の大事業>ということだ。
最近は純米大吟醸<大禹謨>と名付けられた純米大吟醸も売り出されて、 中国古代の神話が21世紀にも今なお息づいている。
訳者あとがきによると、奇しくも北原先生が現在勤務する香川中央高校が 発行する生徒会報の名前が「大禹」とか。 <大禹>がどんな人物でどんなことをしたかはあまり知られてない。
一部誤解や説明不足があるのは残念だ。
このページのトップに戻る

「訳者・北原峰樹のひとこと」に戻る